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注目すべき鳥類

注目すべき種 (鳥類)

カイツブリ
ランク:「千葉県RL」→C(要保護生物)
確認時期:春季
確認位置:境川 高洲橋
写真提供:島田るみ子
春季に境川の高洲橋上流部で2羽を確認した。 本種はほぼ全国的に分布し、北海道から九州までの各地で繁殖する。北海道と本州北部では夏鳥、本州中部以南では留鳥である。おもに平野部の池、湖沼、堀、河川に生息し、秋・冬には河川下流域でもみられる。潜水して魚類などを捕食する。ヨシ原のなかや水中に繁茂する水草上に水草の葉や茎を用いて、浮巣を造る。 千葉県では各地の水辺に広く分布する。
カンムリカイツブリ
ランク:「千葉県RL」→D(一般保護生物)
確認時期:冬季、春季、秋季
確認位置:三番瀬
撮影日:2006年1月30日
冬季に51羽、春季に4羽、秋季に1羽を三番瀬で確認した。 本種はおもに冬鳥と して渡来する大型のカイツブリである。海岸や海岸付近の湖沼、大きな河川に生息し、主に魚類を捕食する。千葉県では東京湾奥部に多く、習志野市茜浜から三 番瀬、葛西臨海公園沖にかけての地域では、1992年以降、2,000~4,000羽が越冬する。太平洋岸では夷隅川河口や銚子など、内陸の水域では山倉ダムや印旛沼、手賀沼などに少数が渡来する。
カワウ
ランク:「千葉県RL」→D(一般保護生物)
確認時期:冬季、春季、夏季、秋季
確認位置:三番瀬、高洲海浜公園、旧江戸川、境川 以下上空通過
清瀧神社・大蓮寺・宝城院(M-1)、忠霊塔公園(M-2)、
しおかぜ緑道(M-3)、若潮公園・交通公園(N-2)、
美浜公園・美浜運動公園(N-3)、墓地公園(S-1)、
高洲海浜公園(S-2)、明海の丘公園(S-3)、
元町・中町・新町市街地
撮影日:(上)2006年10月10日、(下)2006年3月3日
年間を通して市内の水域や市街地上空で確認した。冬季には最大139羽を三番瀬で確認した。 本種は留鳥として中部地方と関東地方を中心に本州と九州の十数カ所で繁殖の記録がある。(青森県では夏鳥)。内陸の河川、湖沼に生息し、その周辺の林で枝上に枯れ草や小枝を用いた皿形の巣を作り、集団で繁殖を行う。千葉県では市川市の行徳鳥獣保護区と小櫃川河口で繁殖する。三番瀬などの東京湾の浅瀬は重要な餌場であり、数千羽が利用している。
ダイサギ
ランク:「千葉県RL」→C(要保護生物)
確認時期:夏季、秋季
確認位置:三番瀬、旧江戸川
写真提供:中村重幸
三番瀬で夏季に1羽、秋季に2~9羽、旧江戸川で1羽を確認した。
本種は関東から九州までの各地で繁殖する。シラサギ類のなかでは、分布地が最も狭く、国内で繁殖するものは冬に大部分が南に移動する。一部は冬鳥として大陸から飛来する。開けた河川や湖沼、干潟などで生活し、浅い水中をゆっくり歩きながら、おもに魚類を捕食するが、両生類や甲殻類なども捕食する。
千葉県では海岸から内陸に至るまで、県内のほぼ全域に生息するが、個体数は減少傾向にある。小櫃川河口や干潟、印旛沼などの湖沼や河川でみられる。
コサギ
ランク:「千葉県RL」→C(要保護生物)
確認時期:冬季、春季、秋季
確認位置:三番瀬、旧江戸川、境川排水場
写真提供:中村重幸
冬季に三番瀬、旧江戸川でそれぞれ1羽、春季に旧江戸川で1羽、境川排水場付近で4羽、秋季に三番瀬で1~2羽、旧江戸川で2羽、境川排水場付近で1羽を確認した。
本種は低地、山地の水田、湖沼、河川、海岸の干潟などの水辺に生息し、マツ林や雑木林などの樹上に他のサギ類に混生して集団繁殖することが多い。浅瀬や泥の中を歩き回り魚類、両生類、甲殻類などを捕食する。我が国では、本州から九州までの各地で生息または繁殖する。
千葉県に生息するサギ類のなかでは最も広く分布する。集団繁殖コロニーは、野田市、我孫子市、成田市、市川市など多くの市町村で確認されている。県内の個体数は著しく減少している。
アオサギ
ランク:「千葉県RL」→D(一般保護生物)
確認時期:春季、夏季、秋季
確認位置:市役所周辺(M-2)、三番瀬、中町市街地
写真提供:中村重幸
春季に市役所周辺上空を飛翔する2羽、夏季に三番瀬で1羽、中町市街地の上空を飛翔する1羽、秋季に三番瀬で1羽を確認した。
本種は留鳥として分布し、湖沼、河川、水田、干潟などの水辺に生息する。高木の針葉樹などの樹上に営巣し、同種だけで集団繁殖することが多い。両生類、甲殻類などを捕食する。
千葉県では県内の全域に分布するが、個体数は少なく繁殖記録はない。
ヨシガモ
ランク:「千葉県RL」→B(重要保護生物)
確認時期:冬季
確認位置: 境川排水場
撮影日:2006年1月29日
備考:写真(オス)
冬季に境川排水場付近で1羽を確認した。
本種は冬鳥として、本州、四国、九州に渡来し、湖沼、ダム湖、河川、沼沢地、潟湖、干潟、水田などでみられる。非繁殖期は群れで生活し、夜間に水田や湿地において、おもにイネ科、タデ科などの種子、マコモや水草の葉・茎・根などを採食する。
千葉県では冬季にみられるが、渡来地は限られている。かつては、東京湾岸の干潟浅瀬で数百から数千羽の群れが記録されていたが、近年は減少した。狩猟鳥であり、毎年数百羽が県内で捕獲されている。
オカヨシガモ
ランク:「千葉県RL」→C(要保護生物)
確認時期:冬季、春季
確認位置:旧江戸川、境川排水場・高洲橋
撮影日:2006年3月3日
備考:写真(左オス、右メス)
冬季に旧江戸川で1羽、境川の排水場付近で2羽、春季に旧江戸川で5羽、境川の高洲橋上流で1羽を確認した。
本種は冬鳥として本州、九州に渡来し、湖沼、沼沢地、池、潟湖、水田、湿地などでみられる。非繁殖期は30羽程度の群で生活する。」夜間に水田や湿地において、おもにイネ科、カヤツリグサ科、タデ科などの種子、ヒルムシロなどの水草の葉・茎・根などを採食する。
千葉県では大部分の地域では冬鳥であるが、局地的に繁殖する。1987年に千葉市幕張埋立地で初めて繁殖が確認され、1988年に新浜水鳥保護区、1996年に習志野市谷津干潟でも繁殖が記録された。越冬期には東京湾岸や印旛沼などの池沼でもみられる。
スズガモ
ランク:「千葉県RL」→D(一般保護生物)
確認時期:冬季、春季、夏季、秋季
確認位置:高洲海浜公園(S-2)、三番瀬
撮影日:2006年1月30日
備考:写真(左メス、右オス)
年間を通して三番瀬、冬季に高洲海浜公園で確認した。三番瀬では冬季に4,000羽、春季に2,566羽、夏季に8羽、秋季に5羽を確認した。高洲海浜公園では冬季に76羽を確認した。
本種は冬鳥として全国に渡来し、大きい湖沼、河川、内湾、干潟などに生息する。とくに沿岸の海や大きい内湾、河口部に多く、数百から数千羽の大群がみられる。雑食性だが、おもに水底の巻貝類や二枚貝などを捕食する。

千葉県では東京湾に毎年、冬鳥として数万羽が飛来する。
ホオジロガモ
ランク:「千葉県RL」→B(重要保護生物)
確認時期:冬季、春季
確認位置:三番瀬、旧江戸川
撮影日:2006年3月2日
備考:写真(メス)
冬季に三番瀬で34羽、春季に三番瀬で20羽、旧江戸川で1羽を確認した。
本種は冬鳥として北海道、本州、四国、九州に渡来し、本州北部と北海道に多い。越冬地では大きな河川、湖沼、池、河口、砂浜海岸でみられる。軟体動物、甲殻類、魚類などを潜水して捕らえるほか、海草や水草なども採食する。
千葉県では冬鳥として局地的に分布する。新浜沖(三番瀬の市川市寄り)で比較的まとまった群がみられるが、そのほかの地域では少ない。
ウミアイサ
ランク:「千葉県RL」→D(一般保護生物)
確認時期:冬季、春季
確認位置:三番瀬
撮影日:2006年3月2日
備考:写真(オス)
冬季に三番瀬で6羽、春季に11羽を確認した。
本種は冬鳥として、全国的に渡来するが、南西諸島では少ない。数羽から数十羽の群れで生活し、比較的浅い岩礁にいることが多い。砂浜、河口部、干潟の水路、潟湖に入ることもあるが、淡水湖では稀である。朝夕に活発に活動し、水中に3~7mくらい潜水しておもに魚を捕食する。群で一列に並んで一斉に潜る共同採食をすることもある。
千葉県では冬季、沿岸に渡来する。東京湾では特に三番瀬周辺の浅海域に多い。
ミサゴ
ランク:「環境省RL」→NT(準絶滅危惧)
「千葉県RL」→B(重要保護生物)
確認時期:夏季、秋季
確認位置:三番瀬
写真提供:システム環境計画コンサルタント(株)
夏季、秋季に三番瀬で1羽を確認した。
本種は海岸、湖沼、河口などに生息し、海岸の岩棚や水辺に近い大木に営巣する。上空から水中に急降下して魚類を捕食し、常食とする。日本では北海道から沖縄で繁殖する留鳥だが、冬に海が凍結する地域のものは暖地に移動する。
千葉県では海岸部を中心に記録があるが個体数は少なく、繁殖は確認されていない。東京湾では数少ない旅鳥冬鳥で、観察記録は減少傾向にある。
オオタカ
ランク:「種の保存法」→国内希少野生動植物
「環境省RL」→NT(準絶滅危惧)
「千葉県RL」→B(重要保護生物)
確認時期:冬季、春季
確認位置:墓地公園(S-1)、日の出北公園付近
写真提供:システム環境計画コンサルタント(株)
個体の確認はないが、冬季に日の出北公園付近、春季に墓地公園で本種が捕食したと推測される食痕を確認した。捕食された種はいずれもドバトであった。
本種は四国の一部及び本州、北海道の広い範囲で繁殖するが、繁殖記録は東日本で多く、西日本では少ない。留鳥として周年生息するが、秋から冬になると高地や山地の個体の一部は低地や暖地に移動する。平地から亜高山帯の林、丘陵地のアカマツ林やコナラとアカマツの混交林に生息し、しばしば獲物を求めて農耕地、牧草地、水辺など開けた場所にも飛来する。おもに中型の鳥を捕食する。
千葉県では近年、広範囲にわたり繁殖が確認されており、越冬期には全国で確認例が増加している。
ノスリ
ランク:「千葉県RL」→C(要保護生物)
確認時期:冬季
確認位置:墓地公園(S-1)
写真提供:システム環境計画コンサルタント(株)
冬季に墓地公園で1羽を確認した。
本種は平地から山地の林に生息し、おもに樹上に営巣するが岸壁の岩棚に営巣した例もある。営巣地付近の草原、河原、農耕地などでおもにネズミなどの小型哺乳類を捕食し、両生類・爬虫類も捕食する。わが国では北海道から四国で繁殖し、越冬期には全国に分散する。
千葉県では冬鳥として各地に渡来し、耕作地や河川敷などでもみられる。南部の山地における繁殖の可能性も指摘されている。トビに次いで普通にみられるタカ類であったが、開発や耕作地の宅地開発・市街化により、越冬場所は減少している。
ハヤブサ
ランク:「種の保存法」→国内希少野生動植物
「環境省RL」→VU(絶滅危惧2類)
「千葉県RL」→B(重要保護生物)
確認時期:秋季
確認位置:高洲海浜公園(S-2)
写真提供:島田るみ子
秋季に高洲海浜公園の海上上空を飛翔する1羽を確認した。
本種は、広い空間で狩りをするために、海岸や河川敷、干拓地などを生活圏とし、海岸付近の断崖の岩棚に営巣することが多い。おもにヒヨドリ大の中型鳥類を単独あるいはつがいによる共同狩猟で捕獲することが知られている。わが国では北海道から九州北西部の島嶼に至るまで広く分布し、多くは留鳥であるが、冬の気象条件の厳しい地域のものは、暖地の海岸や平野部に移動する。
千葉県では夏季の記録もあるが、繁殖記録はない。水鳥類の多い河口や干潟などの湿地で観察されることが多い。
チョウゲンボウ
ランク:「千葉県RL」→C(要保護生物)
確認時期:冬季、春季、夏季
確認位置:若潮公園・交通公園(N-2)、明海の丘公園(S-3)、
新町市街地
写真提供:島田るみ子
冬季に若潮公園・交通公園、明海の丘公園、新町市街地、春季に新町市街地、夏季に明海の丘公園で1羽を確認した。
本種は本州の山地や丘陵帯の崖地で局地的に繁殖し、冬は全国の平野部で越冬する。一般には川沿いの垂直な崖地の岩棚に営巣し、小型哺乳類や小鳥類、昆虫類などを捕食する。
千葉県では一部で繁殖し、越冬期には全県でみられる。近年、我孫子市、松戸市、取手市の河川敷や千葉市などの東京湾岸で人工建造物を利用して繁殖するようになった。
オオバン
ランク:「千葉県RL」→C(要保護生物)
確認時期:冬季、春季
確認位置:高洲海浜公園(S-2)、三番瀬、旧江戸川、
境川排水場・高洲橋
写真提供:島田るみ子
冬季に高洲海浜公園で10羽、三番瀬で210羽、旧江戸川、境川の高洲橋付近で1羽、境川の排水場付近で3羽、春季に高洲海浜公園で42羽、三番瀬で347羽、境川排水場で1羽を確認した。
本種は本州中部以北、北海道で繁殖し、冬は全国の湖沼、河川、水田などのヨシやガマが生育する湿地に生息する。水草の葉や茎、種子などを採餌するほか、水辺の昆虫なども捕食することがある。
千葉県では手賀沼・印旛沼・東京湾岸などで局地的に繁殖する。越冬期には各地でみられる。1960年代まで新浜(市川市・浦安市)にあった丸浜養魚場は、国内の繁殖南限として有名であったが、埋め立てにより消滅した。
シロチドリ
ランク:「千葉県RL」→A(最重要保護生物)
確認時期:夏季
確認位置:三番瀬
写真提供:中村重幸
夏季に三番瀬で1羽を確認した。
本種は、本州中部以北では夏鳥、関東地方以西では留鳥で、越冬するものが多い。海岸の砂浜、河口の干潟、大きい河川の広々とした砂州などで繁殖し、渡り期や越冬期では海岸や河口の干潟、潟湖、湖沼、溜池、河川などの砂泥地でみられる。甲殻類、ゴカイ類、小型の貝類などを餌とする。巣は、砂地の漂流物の間や疎らな草の間などの浅い窪みにつくる。
千葉県では市川から富津、銚子、九十九里の県北の砂浜海岸におもに分布し、白子や千倉などでも確認されている。千葉市の美浜区と中央区の埋立地では、大きな営巣地が存続している。
キョウジョシギ
ランク:「千葉県RL」→C(要保護生物)
確認時期:秋季
確認位置:三番瀬
写真提供:島田るみ子
秋季に三番瀬で3~4羽を確認した。
本種は旅鳥として全国の海岸に渡来する。海岸では砂浜や河口の砂泥地にも現れるが、岩石地や砂利地の海岸を好む。まれに内陸の河川にも現れる。水辺を活発に動き、湿った地表面から餌をついばむ。昆虫類などを捕食するが、渡りの中継地であるわが国では甲殻類、貝類、トビムシ類などを捕食する。
千葉県では、東京湾に旅鳥として春と秋の渡りの季節に普通に渡来する。
キアシシギ
ランク:「千葉県RL」→C(要保護生物)
確認時期:夏季、秋季
確認位置:三番瀬
撮影日:2006年8月11日
写真提供:中村重幸
夏季に三番瀬で3羽、秋季に1~14羽を確認した。
本種は旅鳥として全国の海岸や干潟、サンゴ礁、河川の砂泥地や砂礫地に渡来する。春の渡りの時期には内陸の河原にも現れる。地表や水面から水生昆虫やミミズ、甲殻類などを捕食する。
千葉県では、東京湾に旅鳥として普通に渡来する。
イソシギ
ランク:「千葉県RL」→B(重要保護生物)
確認時期:冬季、春季、夏季、秋季
確認位置:高洲海浜公園(S-2)、三番瀬、旧江戸川、
境川排水場付近、新町市街地
写真提供:中村重幸
冬季に高洲海浜公園、春季に三番瀬、旧江戸川、夏季に高洲海浜公園、旧江戸川、秋季に三番瀬で2羽、旧江戸川、境川の排水場付近、新町市街地で1羽を確認した。
本種は河川、湖沼などの水辺に生息し、水田や畑地などにも現れる。おもに河川中流域の砂礫の河原で繁殖し砂地に営巣する。水辺で昆虫(おもに水生昆虫)を捕食する。北海道、本州、四国、九州に生息し、中部地方北部以北では夏鳥、南西諸島では冬鳥である。
千 葉県では周年みられ、幼鳥も観察されているが、確実な繁殖記録はない。県内には、広い河原がある大きな河川が少ないため、繁殖地は限られている。渡りの時 期の7、8月には個体数は多いが、越冬期の個体数は少ない。河川改修、河川敷や海岸への人や車の立ち入り増加などの人為的影響により、生息地が減少してい る。
チュウシャクシギ
ランク:「千葉県RL」→D(一般保護生物)
確認時期:夏季、秋季
確認位置:三番瀬
写真提供:中村重幸
夏季に三番瀬で1羽、秋季に4羽を確認した。
本種は旅鳥として各地の海岸の干潟、砂浜の水たまり、河川の砂泥地、水田などに渡来する。泥の中のカニやカエル、昆虫類などを捕食する。
千葉県では、東京湾に旅鳥として渡来するが、個体数は少ない。
ズグロカモメ
ランク:「環境省RL」→VU(絶滅危惧2類)
「千葉県RL」→A(最重要保護生物)
確認時期:冬季、春季
確認位置:三番瀬
写真提供:島田るみ子
冬季、春季に三番瀬で2羽を確認した。
本種は北海道から沖縄県までの沿岸各地に冬鳥として少数が渡来する。九州の博多湾や有明海、沖縄県には比較的よく渡来し毎年みられるが、他地域では少ないか極めて稀である。内湾や入り江の干潟の上空を低く飛びながら餌を探し、急降下しておもにガニ類を捕食する。
千葉県では極めて稀な冬鳥である。三番瀬、谷津干潟、小櫃川河口などの干潟で越冬期の記録があり、谷津干潟では少数の個体が定期的に越冬する。
アジサシ
ランク:「千葉県RL」→C(要保護生物)
確認時期:秋季
確認位置:三番瀬
写真提供:松村伸夫
秋季に三番瀬で2~13羽を確認した。
本種は旅鳥として各地の海岸の河口、干潟、大きい湖沼、大きい河川などに渡来する。水面に飛び込み魚類や甲殻類を捕食する。
千葉県では渡りの季節にみられ、外房沖を多数が通過し、また、東京湾にも多数が渡来する。特に三番瀬では、数千羽から数万羽の大きな群れがみられる。
コアジサシ
ランク:「種の保存法」→国際希少野生動植物
「環境省RL」→VU(絶滅危惧2類)
「千葉県RL」→A(最重要保護生物)
確認時期:夏季、秋季
確認位置:墓地公園(S-1)、三番瀬
写真提供:後藤紀子
夏季に墓地公園上空を飛翔する1羽、三番瀬で10羽、秋季に三番瀬で4~148羽を確認した。
本種は、夏鳥として日本に渡来する小型のアジサシであり、本州以南の各地で繁殖している。湖沼や河川、河口などの大きな水域に接した河原、砂州、砂浜に生息し、おもに魚類を捕食する。年間を通じて群で生活し、繁殖期にもコロニーを形成して集団繁殖するものが多い。小島や中州などの砂地に浅いくぼみを掘って営巣するが、近年はそのような環境が次々と消失し、繁殖地も局所的になっている。

千葉県では局地的に分布し、東京湾岸では浦安市から木更津市にかけて分布する。おもな繁殖地は東京湾岸の埋立地であるが、他地域にも繁殖記録がある。
ヒメアマツバメ
ランク:「千葉県RL」→C(要保護生物)
確認時期:秋季
確認位置:高洲海浜公園(S-2)
写真出典:千葉県の保護上重要な野生生物(千葉県,2000)
秋季に高洲海浜公園付近の海上を飛翔する13羽を確認した。
本種は、平野部の市街地から低山に生息し、鉄筋コンクリートの建造物やツバメ類の古巣に営巣し、 集団で繁殖する。上空で飛翔性の昆虫を捕食するほか、巣材集め、交尾、睡眠も空中で行うという。日本には生息していなかったが1964年頃から観察される ようになり、現在は茨城県以西の太平洋沿岸を中心に分布を拡大し、局地的に繁殖している。今後もさらに分布域を拡大する傾向にある。
千葉県では内房から外房にかけての漁港などで局地的に繁殖する。
アマツバメ
ランク:「千葉県RL」→A(最重要保護生物)
確認時期:秋季
確認位置:高洲海浜公園(S-2)
写真提供:島田るみ子
秋季に高洲海浜公園付近の海上上空を飛翔する2羽を確認した。
本種は沖縄県北部より北の各地に夏鳥として飛来し、海岸から高山帯まで生息する。山地の断崖や、海岸の岸壁の隙間などに集団で営巣する。渡りの時期には平地でも見られる。
上空で飛翔性の昆虫を捕食するほか、巣材集め、交尾、睡眠も空中で行う。
千葉県では、100年以上前から内房の島で局所的に営巣が確認されている。
アカゲラ
ランク:「千葉県RL」→C(要保護生物)
確認時期:秋季
確認位置:墓地公園(S-1)
写真提供:島田るみ子
秋季に墓地公園で1羽を確認した。
本種は北海道から本州まで分布するが、西日本では少なく、中部地方以北に多い。ほとんどが留鳥である。低地、低山帯亜高山帯のさまざまな樹林に生息し、落葉広葉樹林やアカマツ林などの比較的明るい林を好む。枯死材の中の幼虫やアリなどを捕食する。
千葉県では冬鳥で、渡りの時期から越冬期にかけてみられるが、個体数は少ない。
ヒバリ
ランク:「千葉県RL」→D(一般保護生物)
確認時期:冬季、春季、夏季、秋季
確認位置:墓地公園(S-1)、高洲海浜公園(S-2)、三番瀬、
新町市街地
写真提供:中村重幸
冬季に墓地公園で9羽、高洲海浜公園で6~7羽、新町市街地で1羽、春季に墓地公園で1~4羽、高洲海浜公園で6~10 羽、新町市街地で4羽、夏季に墓地公園で1~3羽、高洲海浜公園で2羽、新町市街地で3羽、秋季に墓地公園で1~4羽、高洲海浜公園で1羽、三番瀬で1 羽、新町市街地で8羽を確認した。
本種は全国的に分布、繁殖する。牧場や草原、河原、農耕地などに生息し、草丈が低く植被率の低い乾燥地を好む。地上で草の実や昆虫類を採食する。
千葉県では留鳥として各地に広く分布する。市街化により草地が減少していることなどから、東京湾岸の都市部や葛南地域では個体数の減少が著しい。河川敷や海岸では人や車の立ち入りや護岸整備などの人為的影響を受け、繁殖場所が減少している。
ツバメ
ランク:「千葉県RL」→D(一般保護生物)
確認時期:夏季、秋季
確認位置:清瀧神社・大蓮寺・宝城院(M-1)、中央公園(N-1)、
若潮公園・交通公園(N-2)、美浜公園・美浜運動公園(N-3)、墓地公園(S-1)、高洲海浜公園(S-2)、
明海の丘公園(S-3)、三番瀬、旧江戸川、境川、
新町市街地
写真提供:中村重幸
夏季、秋季に市内の広範囲にわたり数羽を確認した。
本種は、山間の村落、市街などに多く、人家または建築物の軒下に営巣し、田畑や草原、海岸、河川など、営巣地付近のあらゆる環境において、飛翔しながら昆虫類を捕食する。日本では種子島以北の全土に夏鳥として渡来し、繁殖する。茨城県の霞ヶ浦や九州各地では越冬個体群が知られている。
千葉県では全域で繁殖する。印旛沼では越冬する個体がいたが、近年は記録されていない。
セグロセキレイ
ランク:「千葉県RL」→D(一般保護生物)
確認時期:春季、秋季
確認位置:市役所周辺(M-2)
境川 高洲橋・今川橋、新町市街地
写真提供:中村重幸
春季に境川の高洲橋、新町市街地、秋季に市役所周辺、境川の今川橋で1羽を確認した。
本種は全国各地の河川周辺に留鳥として生息する日本固有種である。川の土手の窪みや河原の石のかげなどで繁殖し、おもに昆虫類を捕食する。
千葉県では利根川や江戸川流域、南部の水田地域で繁殖する。近年、生息地が減少している。
イソヒヨドリ
ランク:「千葉県RL」→C(要保護生物)
確認時期:冬季、春季、秋季
確認位置:境川排水場・高洲橋
写真提供:島田るみ子
冬季に境川排水場、春季、秋季に境川高洲橋で1羽を確認した。
本種は崖や岩場がある海岸に生息する。餌は多様で、海岸に生息する昆虫類やフナムシ、海岸沿いの林に生息するムカデ、トカゲなどを捕食する。わが国では暖地に移動する北海道東部の個体以外は留鳥として分布する。
千葉県では全域の海岸に分布する。勝浦市、鴨川市などの岩礁海岸では普通にみられ、稀に内陸部でも目撃される。船橋市の海岸部の工場地帯などでも確認例がある。
トラツグミ
ランク:「千葉県RL」→D(一般保護生物)
確認時期:春季
確認位置:墓地公園(S-1)
写真提供:島田るみ子
冬季に墓地公園で風切羽を1枚確認した。
本種は全国的に分布し、積雪の多い地域の個体は冬季に暖地に移動する。丘陵から低山帯の山地の暗い広葉樹林針広混交林などで繁殖する。昆虫類やミミズを捕食、植物の実などを採食する。
千葉県では房総半島の南部で確認されている。越冬期には各地の樹林で観察例があるが、個体数は少ない。
ウグイス
ランク:「千葉県RL」→D(一般保護生物)
確認時期:冬季、春季、秋季
確認位置:市役所周辺(M-2)、若潮公園・交通公園(N-2)、
美浜公園・美浜運動公園(N-3)、墓地公園(S-1)、
旧江戸川
写真提供:中村重幸
冬季に市役所周辺、美浜公園・美浜運動公園で1羽、墓地公園で5羽、春季に美浜公園・美浜運動公園で2羽、墓地公園で1羽、旧江戸川河川敷で1羽、秋季に墓地公園で1羽を確認した。
本種は平地から亜高山のササ藪を伴う低木林、林縁などに生息し、越冬期には平地の藪の中で生活する。繁殖地は低山帯から標高2000m程度の亜高山帯まで幅広いが、林床にササが密生していることが生息条件である。わが国では全国各地に広く分布し、越冬期は低地または暖地に移動する。
千葉県では広く分布、繁殖する。冬季には個体数が増加し、公園の緑地や人家の庭でもみられる。
オオヨシキリ
ランク:「千葉県RL」→D(一般保護生物)
確認時期:夏季
確認位置:墓地公園(S-1)、旧江戸川、境川高洲橋、新町市街地
写真提供:島田るみ子
夏季に墓地公園で2~3羽、旧江戸川河川敷で5羽、境川の高洲橋付近で1羽、新町市街地で2羽を確認した。確認した個体はいずれも囀る個体であった。
本種はわが国のヨシ原を代表する種で、各地のヨシ原で普通にみられる。平地に多いが、山地の湖岸でも繁殖する。

千葉県では夏鳥として各地に渡来する。ヨシ原などの湿地に強く依存する種類であり、河川や湖沼畔の護岸などにより生息場所の減少が危惧される。
セッカ
ランク:「千葉県RL」→D(一般保護生物)
確認時期:春季、夏季、秋季
確認位置:墓地公園(S-1)、三番瀬、旧江戸川、新町市街地
写真提供:島田るみ子
春季に旧江戸川河川敷で1羽、夏季に墓地公園で1羽、新町市街地で6羽、秋季に三番瀬で2羽、新町市街地で2羽を確認した。
本種は秋田県から沖縄まで分布するが、本州中南部に多い。低地から山地の草地に生息し、海岸や河口部などのやや湿った草地に多い。昆虫類やクモ類などを捕食する。
千葉県では広く分布し、周年みられるが冬季の記録は少ない。耕作放棄地や造成地などで繁殖する。
オオルリ
ランク:「千葉県RL」→B(重要保護生物)
確認時期:秋季
確認位置:美浜公園・美浜運動公園(N-3)
写真提供:中村重幸
秋季に美浜公園・美浜運動公園で1羽を確認した。
南西諸島を除く北海道から九州までの全国各地に夏鳥として渡来する。低山地から亜高山地にかけての山地や丘陵地に生息し、とくに渓流沿いのよく茂った林に多い。枝に止まり空中を飛ぶチョウやガなどの昆虫類を空中で捕食する。
千葉県では夏鳥として分布するが稀である。養老川源流部や天津小湊などで繁殖している。渡りの時期には、県内各地で少数が観察される。
メジロ
ランク:「千葉県RL」→C(要保護生物)
確認時期:冬季、春季、夏季、秋季
確認位置:清瀧神社・大蓮時・宝城院(M-1)、忠霊塔公園(M-2)、
しおかぜ緑道(M-3)、中央公園(N-1)、
若潮公園・交通公園(N-2)、美浜公園・美浜運動公園(N-3)、墓地公園(S-1)、高洲海浜公園(S-2)、
明海の丘公園(S-3)、三番瀬、旧江戸川、
境川今川橋・排水場、
元町、中町、新町市街地
写真提供:島田るみ子
年間を通して市内の広範囲にわたり数羽を確認した。
本種は低地から低山帯のさまざまな樹林に生息し、昆虫類やクモ類、果実を食べる。わが国では留鳥として全国に生息する。本州中部以北で繁殖するものは、越冬期は暖地に移動する。
千葉県では各地の樹林で繁殖し、ほとんどの地域では周年みられる。冬季には個体数が増加する。
ホオジロ
ランク:「千葉県RL」→C(要保護生物)
確認時期:冬季、春季、秋季
確認位置:墓地公園(S-1)、旧江戸川、境川高洲橋、新町市街地
写真提供:後藤紀子
冬季に墓地公園で5羽、旧江戸川で2羽、春季に旧江戸川で1羽、新町市街地、境川の高洲橋で2羽、秋季に墓地公園で1羽を確認した。
本種は低地から低山帯のさまざまな樹林林縁や草地などに生息し、巣は地上や藪の小枝の叉につくる。おもに草本類の種子を採食する。わが国では種子島以北の全国に留鳥として繁殖し、越冬期は低地や暖地に移動する個体もいる。
千葉県では留鳥で各地に広く分布する。冬季には越冬個体が加わり、個体数が増加する。農村や耕作地の宅地化、市街化により、生息適地は減少している。
オオジュリン
ランク:「千葉県RL」→D(一般保護生物)
確認時期:春季
確認位置:旧江戸川
写真提供:島田るみ子
春季に旧江戸川河川敷で2羽を確認した。
本種は北海道で夏鳥として繁殖し、近年、本州の東北地方でも繁殖が確認された。本州以南には冬鳥として渡来し、とくに関東地方以南に多い。繁殖地では水湿地のヨシ原から、その周辺の丈の低い草原に、越冬地では湖沼や河川の沿岸のヨシやマコモ草原に生息する。草地の地上や茎で、昆虫類や種子を採餌する。

千葉県では、東京湾周辺で冬鳥として普通に渡来する。
カケス
ランク:「千葉県RL」→C(保護生物)
確認時期:秋季
確認位置:若潮公園・交通公園(N-2)、明海の丘公園(S-3)
写真提供:島田るみ子
秋季に若潮公園・交通公園、明海の丘公園で上空を飛翔する1羽を確認した。
本種は屋久島以北の北海道、本州、四国、九州に留鳥として分布、繁殖する。低地から低山帯のさまざまな樹林に生息し、雑食性が強く、秋にはどんぐりを地中に貯える習性を持つ。
千葉県では個体数が少ない。特に県北部では少なく、越冬期にのみ渡来する地域が多い。
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