災害時の帰宅困難に備えて
むやみに移動せず、状況確認

- 自身の身の安全を確保しましょう。
- 家族の安否や自宅の無事を確かめましょう。
- 交通機関の情報や道路の被害状況などを入手しましょう。
- 周囲の状況等に応じて、どのような行動(待機、一時移動、帰宅など)が最も安全なのか自ら判断し、冷静に行動しましょう。
家族との連絡方法を決めておく
ひとたび地震が発生すると、安否確認のための電話が全国から殺到し、家族や親類とは簡単に連絡をとることができません。事前に以下のような項目に関して、家族全員で確認しておくことが重要です。
- 災害時の安否確認の方法
- 家族の集合場所
- 徒歩帰宅する場合のルート
防災グッズを用意する

いざというときに必ず役立つ防災グッズを勤務先や学校に用意しておきましょう。
携帯ラジオ | 周囲の状況がわからないまま行動するのは危険。ラジオで必要な情報を入手する。 |
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スニーカー | 革靴で長距離を歩くの困難。はきなれたスニーカーを用意する。 |
飲料水 | 500mlのペットボトル1本が「命の水」になる。 |
携帯食料 | チョコレートなど高エネルギーで持ち運びやすい菓子類などを常時手元に置く。 |
懐中電灯 | 携帯しやすいペンライトは重宝する。 |
寒暖対策用品 | 冬場は携帯カイロ、夏場は帽子などが必要になる。雨具も用意したい。 |
革手袋・軍手 | 壊れた街は危険だらけ。すべりにくくて強度のある革手袋ならより安心。 |
地図 | 自分でつくった帰宅地図は一番のよりどころになる。 |
マスク | 被災地の粉じんなどを防ぐ。 |
タオル | 汗をふく、首に巻いて寒さをしのぐ、帽子の代用にするなど、タオルは万能。 |
携帯電話の充電器 | 通話できなくても、最近の多機能携帯電話ならライト代わりにしたり、音で自らの居場所を知らせたりすることが可能。携帯電話を持っているなら、乾電池を使うタイプをひとつ用意したい。 |
現金(小銭) | 公衆電話を利用するために10円玉を用意する。 |
徒歩帰宅をする際の4つのポイント
ポイント1歩き出す前に
●適切な状況判断が重要
まずは、徒歩帰宅するかを適切に状況判断しなければなりません。ラジオなどで正確な情報を把握し、余震や火災・津波といった二次災害の可能性も考慮します。夜間の歩行が危険な状況であれば、近くの安全な避難場所に一時避難する、同じ方向に帰る人をさがしてできるだけ集団で行動するなど、身の安全を第一に考えてください。
●何キロ歩けるかを知っておく
東京都は、午後6時に大地震が発生した場合、自宅までの距離が20kmを超えると「翌朝までの徒歩帰宅は困難」と想定しています。歩ける距離ははき物によっても違い、徒歩帰宅訓練を各地で開催している民間団体「帰宅難民の会」によると、男性の革靴で15km歩くとマメだらけになり、女性のハイヒールは4km歩くのが限度。はきなれたスニーカーを職場などに備えるとともに、普段からできるだけ歩く訓練をしておきましょう。
ポイント2帰宅ルートを決める
帰宅ルートを決める際は、できるだけ安全と思われる道を選びましょう。
●幅員の広い幹線道路を帰宅ルートに設定する
幹線道路には、次のようなメリットがあります。
- 広くて歩きやすい。火災の延焼を防ぎ、熱を遮る
- 破壊しても優先的な復旧が期待できる
- 給水拠点やトイレ、休憩場所などの帰宅支援ポイントが整っている
●う回路も広くて安全な道を選ぶ
幹線道路や幹線道路上の橋が通行止めになっていたらう回路を設定します。その場合もガラスなどの落下物の危険がある個所、高架下、線路などは避け、広い道を選びます。
ポイント3危険な場所は避ける
●倒壊しそうな建物・ブロック塀
大きな地震の後は必ず余震があります。古い建物などは度重なる余震でダメージが蓄積し、倒壊する危険性があります。ブロック塀も同様です。
●落下物
割れた窓ガラスが余震で落下してくることも考えられます。ビルの高層階から落ちてくると、アスファルトに突き刺さるほどの「凶器」になります。また、民家の屋根がわらや植木鉢、繁華街の看板なども危険です。余震ではこれらが落ちてくることを想定して頭上に十分注意を払いながら歩く必要があります。
●電柱・電線
コンクリート製の電柱は重量があるため、倒れた場合非常に危険です。電圧器の落下にも気をつけましょう。また、決して触れてはいけないのが、垂れ下がった電線。感電の恐れがあります。
●火災
火災が起きている地域も危険です。遠くに煙や炎が見えるほどであっても、火災は思わぬ早さで広がりますから、その場所は通らないことが大切です。また、ガス臭にも気をつけましょう。これから火災が起きる可能性があるので、においを感じたら早くその場所から離れましょう。
ポイント4帰宅支援ポイントを活用する

協定するコンビニなどにはられている「災害時帰宅支援ステーション」のステッカー

地震が発生すると、公共施設のほかコンビニ、ガソリンスタンドなどが帰宅支援拠点としての役割を果たします。
●ガソリンスタンド
ガソリンスタンドの建物は、消防法に基づいた厳しい耐震基準をクリアしており、しかも多くが幹線道路沿いにあります。大都市圏の多くの自治体ではガソリンスタンドの組合と協定を締結。地震の際、ガソリンスタンドは、水、トイレ、情報の提供などのサービスを実施します。
●コンビニエンスストア
身近なライフラインの一つとして食料や飲料の販売のほか、トイレの提供も行います。