
日本は世界有数の地震国
近年の地震発生状況
世界有数の地震国である日本は、昔から地震による多くの被害を受けてきました。
近年では、戦後最大の被害となる東日本大震災が発生しました。また、平成28年4月14日と16日、熊本県熊本地方で震度7を記録する地震が起きました。そして、平成30年9月6日には北海道胆振東部を震源とする地震が発生し震度7を観測。この地震では道内全域が停電する「ブラックアウト」が大きな問題となりました。
なお、東日本大震災では、長周期地震動により、首都圏などの高層建物が大きく長く揺れました。そして、天井の落下、スプリンクラーの故障、エレベーターの障害などが起きています。気象庁では、震度で表せない長周期地震動による揺れに対する指標として、平成25年3月に「長周期地震動階級」を定めました。さらに、令和5年2月から長周期地震動階級3以上を予想した場合、家具の転倒・移動により大きな被害が発生するおそれがあることなどから、緊急地震速報を発表することにしました。
グラフ1:「近年の地震発生状況」
地震の揺れと想定される被害
| 震度0 |
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| 震度1 |
- 屋内で静かにしている人の中には、わずかな揺れを感じる人がいる。
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| 震度2 |
- 屋内で静かにしている人の大半が揺れを感じる。
- つり下がった電灯などがわずかに揺れる。
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| 震度3 |
- 屋内にいる人のほとんどが揺れを感じる。
- 棚にある食器類が音を立てることがある。
- 電線が少し揺れる。
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| 震度4 |
- ほとんどの人が驚く。
- つり下げてある物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。
- 車を運転していて、揺れに気づく人がいる。
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震度5 弱 |
- 棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。
- まれに窓ガラスが割れて落ちることがある。
- 電柱が揺れているのがわかる。
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震度5 強 |
- 物につかまらないと歩くことが難しい。
- 固定していない家具が倒れることがある。
- 自動車の運転が困難になる。
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震度6 弱 |
- 立っていることが困難になる。
- 壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。
- 耐震性の低い木造住宅では、倒壊するものもある。
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震度6 強 |
- はわないと動くことができない。
- 固定していない家具のほとんどが移動、倒れるものが多くなる。
- 耐震性の高い木造住宅でも、壁などにひび割れ・亀裂がみられることがある。
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| 震度7 |
- 揺れにほんろうされる。
- ほとんどの家具が移動し、飛ぶものもある。
- 耐震性の高い木造住宅でも、まれに傾くことがある。
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(気象庁の資料を基に作成)
長周期地震動階級関連解説表(高層ビルにおける人の体感・行動、室内の状況等との関連)
| 階級1 |
- 室内にいたほとんどの人が揺れを感じる。驚く人もいる。
- ブラインドなど吊り下げものが大きく揺れる。
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| 階級2 |
- 室内で大きな揺れを感じ、物につかまりたいと感じる。物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる。
- キャスター付き什器がわずかに動く。棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。
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| 階級3 |
- 立っていることが困難になる。
- キャスター付き什器が大きく動く。固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。
- 間仕切壁などにひび割れ・亀裂が入ることがある。
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| 階級4 |
- 立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされる。
- キャスター付き什器が大きく動き、転倒するものがある。固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。
- 間仕切壁などにひび割れ・亀裂が多くなる。
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(気象庁の資料を基に作成)